夜のピクニック
恩田陸の小説なんだけど、読んだことある?
ときくと、初めてきいたと彼は答えた
高校二年のときに同じクラスだったKは、姿勢も目つきも授業態度も悪かったが成績優秀という 要領がいいやつだった
仲はよいほうだったと思う
春休み目前に、彼がわたしのことを好きだという噂が流れ、なんとなく気まずくなってそのままクラス替えになった
その日、2人で飲んだあとに事件は起こった
車を隣の駐車場に停めっぱなしにしてたら閉まってしまい、十キロ歩くはめになったのだ
いいとしした大人が二人、タクシー代をケチって夜中の2時から歩くことにしたという決断はけして賢明ではないであろう
会わなかった六年がうそみたいに思えたけど、こうして歩いてるのもなんだかうそみたいだった
高校最後に夜通し歩くって行事の話なんだけど、まるでそれみたいだなぁって思ったからさ、
物語の結末は忘れたけど、きっと覚えていてもわたしは言わなかっただろう