ムーミン谷に住みたい

インドア派27歳独身、ミムラです。お気に入りのモノや印象深い出来事を淡々と綴ります。

誰もみな コーヒーが好き 花曇/星野 立子

10年前のこと。
小さい頃から読書が好きだったわたしは、国語教師を目指していた。普段は影が薄かったのだけれど、現代文の授業の時だけは積極的に発言するという密かなアピールを続けていた。
くせ毛のポニーテールがチャームポイントで、吹奏楽に明け暮れ、オシャレとは無縁、恋愛とも無縁、耳をすませばのような図書館での出会いを妄想する毎日だった。
そんなある日、現代文の授業で、好きな俳句をグループで鑑賞して発表しなさいという課題が出された。
俄然はりきったわたしは、ほぼ独断で珈琲の俳句を選んだ。なぜこの句だったのか、今でも理由を覚えている。

一番オシャレだったからである。

ありったけのオシャレな想像を書き連ねた鑑賞文は、青春真っ盛りの高校生たちの心を揺さぶったらしい。わたし(たち)の作品は、クラスの投票によって見事一位に選ばれた。


高校教師に憧れていたわたしは結局、両親と同じ小学校教師の道を進んだ。
国語の先生になる夢は果たせなかったが、生意気で可愛いチビ達の喧嘩を仲裁したり、テンションの高い帰りの会を終えたあとに、職員室でコーヒーを飲む日々も悪くないのである。